
随分前、日本の推理小説・ミステリーは社会派推理一辺倒でした。作家でいうと、松本清張、黒岩重吾、森村誠一などが有名です。
一般に「社会派推理小説」とは、荒唐無稽なトリックを否定し、現実性のある社会性の強い題材をあつかい、動機を重視した推理小説、といわれています。
それが、島田荘司、綾辻行人など、いわゆる「新本格ミステリー」作家の登場によって、社会派推理は衰退したように思います。
さて、今回紹介する「震える牛」。
主人公の田川刑事は地道にコツコツと捜査する昔ながらの刑事。その調査対象は未解決の殺人事件。その裏には、大企業のある隠蔽が見え隠れ・・・
ベタなストーリーですが、著者の相場英雄氏は経済ジャーナリストの肩書きも持つ作家。粗い文体ながら、経済通の片鱗が垣間見れました。
出版社の宣伝文句「平成版 砂の器」は大げさですが、久々に登場した社会派推理の秀作だと思いますね。
あらすじ:
警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。
初動捜査では、その手口から犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。田川は事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直し、犯人が逃走する際ベンツに乗車したことを掴む。ベンツに乗れるような人間が、金ほしさにチェーンの居酒屋を襲うだろうか。同時に殺害されたのは、互いに面識のない仙台在住の獣医師と東京・大久保在住の産廃業者。田川は二人の繋がりを探るうち大手ショッピングセンターの地方進出、それに伴う地元商店街の苦境など、日本の構造変化が事件に大きく関連していることに気付く。
これは、本当にフィクションなのか?
日本の病巣、日本のタブーに斬り込んだ、
衝撃のエンターテイメント大作!
この記事へのコメント
mutumin
少し本を読んで、勉強しだ方が良いかしらん?
pn
guran
親知らず
お仕事していると、それって良いの?という事を見聞きします。
本を書く程の文才は無いので書きませんが。
獏
今の時代に起きそうなフィクションが好きなのです☆
HOTCOOL
推理も妄想を膨らませるので共通点はあるかもよん^ロ^
HOTCOOL
いや、結構いい線いってますよ^^
HOTCOOL
牛にまつわる殺人事件の捜査です・・・
HOTCOOL
人は誰しも自分の生涯をつづった本は書けるらしいですよ。文体等は別として・・・
HOTCOOL
今の時代に起こりえる話がベースなので、グイグイと読めました。お勧めの一冊です!^_^!
s_29
読んでみたくないような・・・(^_^;)
まほ
これも、私には難しいかも知れません。
直近だと、東野圭吾や乃南アサ、伊坂幸太郎を読んでいました。
綾辻行人もいくつか読みました。
赤川次郎は、旅行の電車の中ならするりと読めてピッタリですが、
ストーリーも内容も、軽すぎてつまらないです。
本格ミステリーなら、仁木悦子、都筑道夫なんかお勧めですよ。
一昔前の人たちですが、間違いなく面白いです♪
(敬称略)
HOTCOOL
読んでみましょう!
HOTCOOL
たしかに一昔前ですね。
けど、まほさんもかなり読んでますね。